MAPLIB : 地図投影

概要

地図投影変換に関する関数パッケージ. このパッケージでは地球の半径を1とし, 投影点の緯度を (0,0) または 北極 とした時の地図投影関数を定義する. 投影点での面積が変わらないように (?) 定義されている. また,全ての関数に逆関数が定義されている.

角度に関する引数の単位は全てラジアンである.

多くの逆投影関数に関して,与えた値が定義域外のとき,内部変数 'RUNDEF'で決まる不定を示す値(初期値は-999)を返す.

サブルーチンのリスト

                                                 
  MPFCYL(XLON,YLAT,X,Y)   正距円筒図法           
                                                 
  MPFMER(XLON,YLAT,X,Y)   Mercator図法.         
                                                 
  MPFMWD(XLON,YLAT,X,Y)   Mollweide図法.        
                                                 
  MPFMWL(XLON,YLAT,X,Y)   Mollweide図法もどき.  
                                                 
  MPFHMR(XLON,YLAT,X,Y)   Hammer図法             
                                                 
  MPFEK6(XLON,YLAT,X,Y)   Eckert 第6図法         
                                                 
  MPFKTD(XLON,YLAT,X,Y)   北田楕円図法           
                                                 
  MPFCON(XLON,YLAT,X,Y)   円錐図法               
                                                 
  MPSCON(YLAT1)           標準緯線の指定         
                                                 
  MPFCOA(XLON,YLAT,X,Y)   Lambert 正積円錐図法   
                                                 
  MPSCOA(YLAT1)           標準緯線の指定         
                                                 
  MPFCOC(XLON,YLAT,X,Y)   Lambert 正角円錐図法   
                                                 
  MPSCOC(YLAT1,YLAT2)     標準緯線の指定         
                                                 
  MPFBON(XLON,YLAT,X,Y)   Bonne's 図法           
                                                 
  MPSBON(YLAT1)           標準緯線の指定         
                                                 
  MPFOTG(XLON,YLAT,X,Y)   正射図法               
                                                 
  MPSOTG(RSAT)            軌道半径の設定         
                                                 
  MPFPST(XLON,YLAT,X,Y)   Polar Stereo 図法      
                                                 
  MPFAZM(XLON,YLAT,X,Y)   正距方位図法           
                                                 
  MPFAZA(XLON,YLAT,X,Y)   Lambert 正積方位図法   
                                                 
これらのルーチン以外に,すべての変換関数に対して逆関数が定義されている. それらのルーチン名は,正変換関数の名前の3文字めをIにしたもので ある.

サブルーチンの説明

MPFCYL/MPICYL

  1. 機能
    正距円筒図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFCYL(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPICYL(X,Y,XLON,YLAT)
  3. パラメーターの説明
                                      
      XLON,       (R)   経度,緯度.  
      YLAT                            
                                      
      X,Y         (R)   x, y座標.    
                                      
    
  4. 備考
    1. これは正積でも正角でもない投影法である.
    2. 経線に沿った長さが正しく投影される.
    3. 定義式
                    
        x   =   λ  
                    
        y   =   φ  
                    
      

MPFMER/MPIMER

  1. 機能
    メルカトール図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFMER(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIMER(X,Y,XLON,YLAT)
  3. パラメーターの説明
                                      
      XLON,       (R)   経度,緯度.  
      YLAT                            
                                      
      X,Y         (R)   x, y座標.    
                                      
    
  4. 備考
    1. これは正角図法である.
    2. 定義式
                                
        x   =   λ              
                                
        y   =   (π/4 + φ/2)  
                                
      

    3. -π ≦ x < π の範囲に投影される.

MPFMWD/MPIMWD

  1. 機能
    モルワイデ図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFMWD(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIMWD(X,Y,XLON,YLAT)
  3. パラメーターの説明
                                      
      XLON,       (R)   経度,緯度.  
      YLAT                            
                                      
      X,Y         (R)   x, y座標.    
                                      
    
  4. 備考
    1. これは正積図法である.
    2. 定義式
                                  
        x   =   2√2 (α)π     
                λ                
                                  
        y   =   √2 (α)        
                                  
      

      ここで,α は 2α + (2α)= π φ

      の解である.

    3. 長径(x軸方向) 2√2, 短径 √2 の楕円内に投影される.

MPFMWL/MPIMWL

  1. 機能
    モルワイデ図法(もどき)の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFMWL(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIMWL(X,Y,XLON,YLAT)
  3. パラメーターの説明
                                      
      XLON,       (R)   経度,緯度.  
      YLAT                            
                                      
      X,Y         (R)   x, y座標.    
                                      
    
  4. 備考
    1. この投影法は正確なモルワイデ図法ではない.
    2. 定義式
                                  
        x   =   2√2 (φ)π     
                λ                
                                  
        y   =   √2 (φ)        
                                  
      

    3. 長径(x軸方向) 2√2, 短径 √2 の楕円内に投影される.

MPFHMR/MPIHMR

  1. 機能
    ハンメル図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFHMR(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIHMR(X,Y,XLON,YLAT)
  3. パラメーターの説明
                                      
      XLON,       (R)   経度,緯度.  
      YLAT                            
                                      
      X,Y         (R)   x, y座標.    
                                      
    
  4. 備考
    1. これは正積図法である.
    2. 定義式
                                                      
        x   =   2√2 (φ)(λ/2) √1+(φ)(λ/2)  
                                                      
        y   =   √2 (φ) √1+(φ)(λ/2)          
                                                      
      

    3. 長径(x軸方向) 2√2, 短径 √2 の楕円内に投影される.

MPFEK6/MPIEK6

  1. 機能
    エッケルト第6図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFEK6(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIEK6(X,Y,XLON,YLAT)
  3. パラメーターの説明
                                      
      XLON,       (R)   経度,緯度.  
      YLAT                            
                                      
      X,Y         (R)   x, y座標.    
                                      
    
  4. 備考
    1. これは正積図法である.
    2. 定義式
                                  
        x   =   a(1+ (α))      
                2 λ              
                                  
        y   =   a α              
                                  
      

      ここで, a=2/√π+2, α は α + (α)= π+22 φ

      の解である.

    3. 極は y= ± π a /2, 長さ π a の線分に投影される.

MPFKTD/MPIKTD

  1. 機能
    北田楕円図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFKTD(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIKTD(X,Y,XLON,YLAT)
  3. パラメーターの説明
                                      
      XLON,       (R)   経度,緯度.  
      YLAT                            
                                      
      X,Y         (R)   x, y座標.    
                                      
    
  4. 備考
    1. これは正積図法である.
    2. 定義式
                                  
        x   =   9 a (α)5π     
                λ                
                                  
        y   =   a (α)          
                                  
      

      ここで,a = 2 √10 π/(12π + 93) , α は 2α + (2α)= ( 2π3 + √32 )
      φ

      の解である.

    3. 極はy=±√3a/2 の長さ a の線分に投影される.
    4. この図法は教育用地図帳に多く使用されている.

MPFCON/MPICON/MPSCON

  1. 機能
    正距円錐図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFCON(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPICON(X,Y,XLON,YLAT)
    CALL MPSCON(YLAT1)
  3. パラメーターの説明
                                        
      XLON,       (R)   経度,緯度.    
      YLAT                              
                                        
      X,Y         (R)   x, y座標.      
                                        
      YLAT1       (R)   標準緯線の緯度  
                                        
    
  4. 備考
    1. これは正積でも正角でもない図法である.
    2. 経線に沿った長さが正しく投影される.
    3. 定義式
                            
        x   =   r (kλ)    
                            
        y   =   - r         
                (kλ)      
                            
      

      ここで,r, k は

                                     
        k   =   (θ_1)              
                                     
        r   =   θ - θ_1 + (θ_1)  
                                     
      

      である (θ は余緯度,θ_1 は標準緯線の余緯度).

    4. MPFCON, MPICON を呼ぶ前に, MPSCON で標準緯線の緯度を 設定しておかなければならない.

MPFCOA/MPICOA/MPSCOA

  1. 機能
    ランベルト正積円錐図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFCOA(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPICOA(X,Y,XLON,YLAT)
    CALL MPSCOA(YLAT1)
  3. パラメーターの説明
                                        
      XLON,       (R)   経度,緯度.    
      YLAT                              
                                        
      X,Y         (R)   x, y座標.      
                                        
      YLAT1       (R)   標準緯線の緯度  
                                        
    
  4. 備考
    1. これは正積図法である.
    2. 定義式
                            
        x   =   r (kλ)    
                            
        y   =   - r         
                (kλ)      
                            
      

      ここで,r, k は

                                
        k   =   ^2(θ_1/2)     
                                
        r   =   2√k  (θ2     
                )              
                                
      

      である (θ は余緯度,θ_1 は標準緯線の余緯度).

    3. MPFCOA, MPICOA を呼ぶ前に, MPSCOA で標準緯線の緯度を 設定しておかなければならない.

MPFCOC/MPICOC/MPSCOC

  1. 機能
    ランベルト正角円錐図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFCOC(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPICOC(X,Y,XLON,YLAT)
    CALL MPSCOC(YLAT1,YLAT2)
  3. パラメーターの説明
                                          
      XLON,YLAT     (R)   経度,緯度.    
                                          
      X,Y           (R)   x, y座標.      
                                          
      YLAT1,        (R)   標準緯線の緯度  
      YLAT2                               
                                          
    
  4. 備考
    1. これは正角図法である.
    2. 定義式
                            
        x   =   r (kλ)    
                            
        y   =   - r         
                (kλ)      
                            
      

      ここで,r, k は

                                                           
        k   =   (θ_2 ) - (θ_1 ) (θ_2/2) - (θ_1/2)  
                                                           
        r   =   (θ_1)k^k(θ_1/2) ^k(θ/2)              
                                                           
      

      である (θ は余緯度,θ_i は標準緯線の余緯度).

    3. MPFCOC, MPICOC を呼ぶ前に, MPSCOC で標準緯線の緯度を 設定しておかなければならない.
    4. この図法は中緯度の天気図の投影法として 世界的に使われている.

MPFBON/MPIBON/MPSBON

  1. 機能
    ボンヌ図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFBON(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIBON(X,Y,XLON,YLAT)
    CALL MPSBON(YLAT1)
  3. パラメーターの説明
                                        
      XLON,       (R)   経度,緯度.    
      YLAT                              
                                        
      X,Y         (R)   x, y座標.      
                                        
      YLAT1       (R)   標準緯線の緯度  
                                        
    
  4. 備考
    1. これは正積図法である.
    2. 定義式
                            
        x   =   r (kλ)    
                            
        y   =   - r         
                (kλ)      
                            
      

      ここで,r, k は

                                     
        k   =   (θ)/r             
                                     
        r   =   θ - θ_1 + (θ_1)  
                                     
      

      である (θ は余緯度,θ_1 は標準緯線の余緯度).

    3. MPFBON, MPIBON を呼ぶ前に, MPSBON で標準緯線の緯度を 設定しておかなければならない.
    4. YLAT1=90 のとき, ヴェルネル図法(ハート型図法)になる.

MPFOTG/MPIOTG/MPSOTG

  1. 機能
    正射図法および Satellite View の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFOTG(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIOTG(X,Y,XLON,YLAT)
    CALL MPSOTG(RSAT)
  3. パラメーターの説明
                                                                 
      XLON,       (R)   経度,緯度.                             
      YLAT                                                       
                                                                 
      X,Y         (R)   x, y座標.                               
                                                                 
      RSAT        (R)   地球の半径を単位とする                   
                        衛星の軌道半径.                         
                                                                 
    
  4. 備考
    1. これは正積でも正角でもない図法である.
    2. RSAT に1 より大きい値を指定すると, その距離からの Satellite View になる. 1 以下の場合は,通常の正射図法となる.
    3. 定義式
                                   
        x   =   r (λ)           
                                   
        y   =   - r (λ)         
                                   
        r   =   (θ)(1-C(θ))  
                                   
      

      ここで C はRSAT>1 の時, RSAT の逆数, それ以外の時は C=0 で通常の正射図法となる.

    4. 半径1 の円内に投影される.

MPFPST/MPIPST

  1. 機能
    ポーラーステレオ図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFPST(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIPST(X,Y,XLON,YLAT)
  3. パラメーターの説明
                                      
      XLON,       (R)   経度,緯度.  
      YLAT                            
                                      
      X,Y         (R)   x, y座標.    
                                      
    
  4. 備考
    1. これは正角図法である.
    2. 定義式
                           
        x   =   r (λ)   
                           
        y   =   -r         
                (λ)     
                           
        r   =   2(θ/2)   
                           
      

MPFAZM/MPIAZM

  1. 機能
    正距方位図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFAZM(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIAZM(X,Y,XLON,YLAT)
  3. パラメーターの説明
                                      
      XLON,       (R)   経度,緯度.  
      YLAT                            
                                      
      X,Y         (R)   x, y座標.    
                                      
    
  4. 備考
    1. これは正積でも正角でもない図法である.
    2. 方位線に沿った長さが正しく投影される.
    3. 定義式
                            
        x   =   r (λ)    
                            
        y   =   - r         
                (λ)      
                            
      

      ここで,r は r = θ

      である.

    4. 半径πの円内に投影される.
    5. 図の中心は北極である.

MPFAZA/MPIAZA

  1. 機能
    ランベルト正積方位図法の投影,逆投影を行なう.
  2. 呼び出し方法
    CALL MPFAZA(XLON,YLAT,X,Y)
    CALL MPIAZA(X,Y,XLON,YLAT)
  3. パラメーターの説明
                                      
      XLON,       (R)   経度,緯度.  
      YLAT                            
                                      
      X,Y         (R)   x, y座標.    
                                      
    
  4. 備考
    1. これは正積図法である.
    2. 定義式
                            
        x   =   r (λ)    
                            
        y   =   - r         
                (λ)      
                            
      

      ここで,r は r = 2 (θ/2)

      である.

    3. 半径2の円内に投影される.
    4. 図の中心は北極である.
    5. この図法は地震学や構造地質学で広く使われている.


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Latex Source


地球流体電脳倶楽部 : 95/6/9 (Version 5.0)

NUMAGUTI Atusi <a1n@gfdl.gov>
Last Modified: Thu Aug 31 13:01:16 EDT 1995