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deepconv/arare4 : Nakajijma et al (2000) との比較

はじめに

木星大気における平均的な流れ場と凝結成分の分布を数値的に求めた 先駆的研究である Nakajima et al (2000) と比較する.

Nakajima et al (2000) では,

と主張している.

計算結果と Nakajima et al (2000) の比較

計算結果 と Nakajima et al (2000) を比較すると, 以下のようなことが言える.

また, NH3, H2S の分布には以下の特徴が見られる.

その他としては,



流れ場

鉛直風速

Nakajima et al での鉛直風速

流れ場が H2O 凝結高度で鉛直方向に分割される特徴が見られる. しかし, NH3, NH4SH の凝結高度で鉛直方向の流れ場が 分離しているようには見えない.

水平風速. ひいき目に見ると, 湿潤対流層において, 各凝縮成分の 凝縮高度で東西方向の流れ場は分割しているようにも見えないでもない. どうやって確かめるか....



温位の式の各成分の寄与. 加熱冷却分布が交互に現れる. この加熱冷却によって 東西風速が形成されるように思えるが....



流線関数. 湿潤対流層で流れ場が分割していると言えるのか.... 湿潤対流層において, とある高度に明確な流れ場の境目があるわけではない.





安定度

安定度

安定度. 赤は温度の寄与, 青は分子量の寄与. NH3 の凝結高度と NH4SH の生成高度に安定度のピークが見られる. 若干 Nakajima et al (2000) より大きい



H2O 凝結高度では分子量の寄与が卓越するが, NH4SH 生成高度や NH3 凝結高度では, 分子量の寄与と温度の寄与が同程度



温位

温位の水平平均からのずれ

温位の水平平均からのずれ

Nakajima et al (2000) と異なり, サーマルは必ずしも対流圏界面まで上昇しない.

  • NH3 凝結高度付近までしか上昇しないこと有り.

冷たい気塊の落下が, 乾燥対流領域の流れ場を駆動.



凝結成分気体の分布

凝結成分気体の混合比の水平平均. 破線は飽和蒸気圧

凝結成分気体の混合比の水平平均. 破線は大気深部の気塊を持ち上げた際に実現する湿潤断熱的な混合比分布



NH3 と H2S は H2O 凝結高度の下まで移流されない.

  • H2O 凝結高度より下方では, 各凝結成分気体の存在量はほぼ一定.

湿潤対流領域は, 平均的には飽和していない.



H2O を赤, H2S を緑, NH3 を 青として, RGB 合成したもの. 湿潤対流層より上で活発に攪拌されている一方で, 大気深部はほとんど色の濃淡が見られない.



湿潤対流層における分布のパターン(白っぽい赤や緑)は, Nakajima etal (2000) と似た雰囲気.

H2O 混合比

H2S 混合比

NH3 混合比



安定度

雨混合比の分布

雨混合比の分布 H2O を赤, H2S を緑, NH3 を 青として, RGB 合成したもの.



強い上昇域では, H2O, NH4SH, NH3 の雨が共存. しかし, それ以外の領域では, NH3 の雨は H2O と NH4SH の雨とは 分離して存在するように見える.

  • H2O と NH4SH の雨は重なり合って存在する
H2O の雨

NH3 の雨

NH4SH の雨

     

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