放射MTGメモ(2016/07/27)

参加者

  • 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 放射源関数法モジュールを用いた場合の問題と解決
    • Toon et al. 1989 を確認
      • 惑星放射の計算において放射源関数法は, two-stream method に比べて正確.
    • 放射源関数法における天頂角方向の積分
      • dcpam の放射コードでは, 放射源関数法の際, 天頂角に対して 8 方向に離散化し, 積分している.
      • 天頂角の離散化を 1 方向 (cos a = 0.5) にすると, 加熱率の不自然な値が生じないことが分かった.
      • 不自然な加熱率を生じる領域において, cos a (a: 天頂角) = 0.5 を境に, 角度ごとの放射収支の符号が異なる.
        • cos a >= 0.5: 放射加熱
        • cos a < 0.5: 放射冷却
      • 角度のある放射について, 定式化を確認中.
  • mtg 資料

木星大気の放射計算 (高橋康)

  • 日射の吸収物質をどのように与えるかについて
    • 先行研究のレビューを行った.
      • 高度分布
        • 3 層構造
          • 成層圏ヘイズまでの構造しか分かっていない
          • 対流圏ヘイズ・対流圏雲は不明
          • 5ミクロン 大気窓: 深部 (2-5bar? 対流圏) 雲についての制約を与える
        • 成層圏下部-対流圏上部のヘイズ構造制約は乏しい
      • 光学特性
        • ヘイズ組成候補:Hydrocarbon, Phosphine, Hydrosulfur
        • 一方でほとんどの研究では NH3 ice/No absorption を仮定
        • 粒径を設定し, あとは放射強度をヘイズ量と SSA でフィッティング
        • NH3 ice はほとんど吸収しないため, どれだけ吸収するかは不明
    • コメント, 議論
      • 放射計算に必要なパラメタがどの程度分かっているのか, という観点でまとめる.
        • 物質量, 光学特性, それらがどのような原理で分かっているのか
        • ここまでは分かっている, ここからは自分たちで工夫する必要がある, の切り分け
  • Read et al., 2016 木星セクションの雑感
    • Read et al., 2016
      • 太陽系各天体のエネルギー収支の理解をまとめたレビュー論文
    • 木星の放射収支
      • 日射
        • 3-7 bar までに完全吸収 (Sromovsky et al., 1998 より)
          • 高橋計算では, 10bar より下層に日射が入る: なぜ異なるのか?
      • 熱放射
        • 図と本文で値がずれている.
    • 来月 wtk セミナーで報告
    • コメント
      • Sromovsky et al., 1998 の solar flux の図はどのように描いたのか? CHANNEL B からどのように全体を見積もったのか?
  • mtg 資料

木星大気研究会

  • 井田先生が開催を計画している.
  • 日時: 8/31, 9/1
  • 高橋 (康) も話題提供の予定 (時間は 1 時間)

次回の日程

  • 8/3 (水) 9:00-