放射MTGメモ(2016/10/12)

参加者

  • 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 放射源関数法モジュールを用いた場合の問題と解決
    • 放射源関数と放射強度が整合的になるようにイタレーションして放射強度を計算するようにコードを改変.
      • Toon et al. (1989) の放射源関数法をもとに, 放射強度の計算結果を放射源関数として再度放射伝達式を計算する.
      • 放射源関数の大きさと、放射強度が一致するまで繰り返し計算をする.
    • イタレーションをして求めた放射場と, Toon et al. (1989) の放射場の比較
      • 条件
        • 2 層もモデル
        • Tau1=1e-3, Tau2=1, SSA1=0.99999, SSA2=0, B1=B2=0, B3=4
      • 放射収支の計算結果
        • 一次散乱アルベドが小さい時には, Toon の放射源関数法に近い.
        • 一次散乱アルベドが大きい場合には, Two-Stream 法に近い.
      • コメント
        • これはある特定の条件での結果である.
  • To Do
    • 今回の検討結果の dcrtm への反映 (コード, ドキュメント)
    • 金星モデル開発
  • mtg 資料

木星大気モデルの開発 (高橋康)

  • 現状の整理
    • 木星大気での日射・熱放射の放射伝達過程をモデル化した.
    • 日射収支・スペクトル特徴が観測から大きく逸脱している.
    • 短波長における opacity 候補を導入
      • CH4, NH3 ガス吸収(Karkoschka and Tomasko 2010, Yuruchenko 2011)
      • 成層圏ヘイズ(Zhang 2013)
      • Red absorber (Sromovsky 1998)
    • 再度観測と比較したが収支・スペクトルともに合わない
      • 収支のずれ: ヘイズ・雲汚染の不定性で議論できそう
      • スペクトルのずれ:
        • 導入した CH4 により吸収特徴の位置は概ね一致
        • 絶対値に関しては観測値との比較が適切にできていなかった
          • これまでは, 日射天頂角 60 度のときの大気上端での放射収支を 2/3 したもので比較していたが, これは Lambert 球面であるという仮定の元でしか成り立たない.
          • 幾つかの天頂角で計算して, その方向に帰っていく散乱光強度を足し合わせる必要がある.
  • 今後の方針
    • Geometric albedo 導出のための多天頂角計算は保留
      • 時間的制約から他を優先
    • CH4, NH3 吸収の圧力依存性を導入したい.
      • CH4: KT2010 を使う際の圧力依存性をどうするか.
        • infinit pressure での吸収係数が table で与えられており, 低圧での計算に使えない.
        • Mayer-Goody model による line spacing parameter で圧力依存性が考慮できる?
          • 思想の違う放射伝達計算: 導入は難しいだろう.
        • Irwin のデータを使うのはどうか.
          • Irwin は k-分布. band 幅は 25 cm-1
          • エネルギー収支の計算には 25 cm-1 で十分.: なんちゃってk-分布で進めてみる.
          • Irwin のデータの範囲は, 他の分子種も Irwin に合わせて k-分布にしてしまうのがよいのでは.
          • 懸念事項として, KT2010 と Irwin archive で値が違うことがありそう.
        • そもそも高波数まで, Line-by-line 計算できるのか?計算コストの問題として.
      • NH3: Yurchenko 2011 プログラムの半値幅設定の調整方法を検討
    • 可視スペクトルによる日射吸収物質の評価
      • Zhang 2013 での 3 filters の相対強度を主な指標としてはどうかと考えている.
      • Bond albedo 及び上記スペクトルによる制約を満たすような日射吸収を与える
        • 成層圏ヘイズ: Zhang 2013 での制約をそのまま用いる
        • 対流圏ヘイズ: 灰色吸収体としてフリーパラメタにする
        • 雲: 杉山モデル + SSA 調整
        • ラマン散乱:無しで計算、合わない部分について概算
    • 成層圏・対流圏の日射過熱・熱放射冷却バランスを示す.
    • ここまでの成果を論文化する.
  • 検討事項
    • geometric albedo の話を置いておいても, 60deg の値だけで放射収支の議論してよいのか?
      • 60deg の値でよいことを confirm できないか?
  • mtg 資料

次回の日程

  • 10/19 (水) 9:00-