地球流体セミナー (GFD seminar)
毎年夏に定期的に開催しています. 「各参加者(聴衆)個々人による(自己満足的)理解の追求」を合言葉に, 話題提供者による地球流体力学に関連した個々の問題に対して じっくりと時間をかけて議論することを目的としています.
地球流体セミナー運営グループ (gfdsemi-admin at gfd-dennou.org) が 中心になって開いています.
次回セミナー, 関連研究集会予定
夏の GFD セミナー
夏の GFD セミナーは, COVID-19 の状況を鑑みまして, 2020, 2021 年に続き, 2022 年も開催を延期することにいたしました.
GFD オンラインセミナー
zoom にて開催します. 参加希望者は gfdsemi-admin (at) gfd-dennou.org までその旨ご連絡ください.
GFD オンラインセミナー 第 10 回
日時:
2022 年 7 月 14 日 (木) 13:00 - 15:00
話題提供者とタイトル
大塚 成徳 (理化学研究所計算科学研究センター)
「トンガの海底火山の噴火に伴うラム波伝播の静止気象衛星画像による可視化」
要旨:
大気中のラム波はおよそ300 m/sで伝播する地表面に捕捉された弾性波で、静止した等温大気の場合には水平方向にのみ伝播する。ラム波は火山噴火、地震、隕石、爆発などによる大規模な圧力変動に伴って励起される。最もよく知られた例は1883年のインドネシア・クラカタウ火山の噴火である。
2022年1月15日に発生したトンガのフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の大噴火によりラム波が励起され、地球全体に伝播した。波動伝播は静止気象衛星によって明瞭に観測された。本事象は気象衛星の観測開始以来、最大の規模であるため、調査に値する。よって、本研究では最新世代の静止気象衛星であるひまわり8号のデータを用いてラム波の可視化を試みた。
今回、ひまわり8号の水蒸気バンド(バンド8)を用いた。10分間隔の画像の時間2階微分を取ることで波が明瞭に可視化された。伝播速度は約310 m/sであり、理論と整合的であった。波は1週間にわたって追跡可能で、地球を5周する様子が見られた。一方で、時間微分を取る際の画像の間隔を前の世代の静止気象衛星の撮像間隔である30分にしたところ、ラム波は明瞭には可視化されなかった。衛星画像に見られる信号は日本における地上気圧の観測と整合的であった。
本発表ではOtsuka (2022)に示した結果に加え、本解析手法の他の静止気象衛星への適用についても議論する予定である。
参考文献:
Otsuka, S., 2022: Visualizing Lamb waves from a volcanic eruption using meteorological satellite Himawari-8. Geophys. Res. Lett., 49, e2022GL098324.
参加方法:
zoom にて開催します. 参加希望者は gfdsemi-admin (at) gfd-dennou.org までその旨ご連絡ください.
FDEPS (Fluid Dynamics in Earth and Planetary Sciences)
2021 年 11 月末に予定しておりました FDEPS2021 は, COVID-19 の状況を鑑みまして開催を 1 年延期することにいたしました.
- 日程 : 2022 年 11 月 29 日(火) 〜 12 月 4 日(金)
- 場所
- 京都 関西セミナーハウス
- 話題提供者
- TBA
GFD セミナー過去の資料
これまでに行われた地球流体セミナー (GFD seminar) の講演資料はこちら. 姉妹編ワークショップ「地球惑星科学における流体力学」(FDEPS)の資料も並べてあります.
裏方
- 地球流体セミナー運営グループ
- 相木 秀則 (名大・宇地研)
- 伊賀 啓太 (東大・大気海洋研)
- 石岡 圭一 (京大・理)
- 石渡 正樹 (北大・理)
- 岩山 隆寛 (福大・理)
- 樫村 博基 (神戸大・理)
- 酒井 敏 (京大・総人)
- 佐々木 洋平 (摂南大・理工)
- 杉本 憲彦 (慶大・法)
- 杉山 耕一朗 (松江高専)
- 高木 征弘 (京産大・理)
- 高橋 芳幸 (神戸大・理)
- 竹広 真一 (京大・数理研)
- 中島 健介 (九大・理)
- 西澤 誠也 (理化学研究所)
- はしもとじょーじ (岡山大・自然科学)
- 林 祥介 (神戸大・理)
- 村上 真也 (宇宙航空研究開発機構)
- 柳澤 孝寿 (海洋研究開発機構)
- 山田 道夫 (京大・数理研)
- 吉田 茂生 (九大・理)
- 余田 成男 (京大・理)
- 提供 : 「mosir プロジェクト」
- 問い合わせ先 : 地球流体セミナー運営グループ
- gfdsemi-admin at gfd-dennou.org